日本生気象学会雑誌
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寒冷曝露によるヒトの血漿カテコールアミンの変化
八幡 剛浩黒島 晨汎
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1983 年 20 巻 2 号 p. 69-73

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抄録

ヒトにおける寒冷曝露時の交感神経系機能の意義を明らかにするため26名の成人男子を裸で10℃および5℃に30分間曝露し, エネルギー代謝量と血漿カテコールアミンレベルの変化の関係を調べた。得られた結果は以下の通りである。
1) エネルギー代謝量の上昇は10℃で9.9±2.05kcal/m2/hであったのにたいし, 5℃では23.5±3.24kcal/m2/hと有意に高かった。
2) 血漿ノルアドレナリンは10℃で451±141.1pg/ml, 5℃で320±72.4pg/mlと同程度の上昇を示した。
3) 血漿ノルアドレリナンの増加率とエネルギー代謝量の増加率の間には10℃でのみ正の相関が見られた。
4) 血漿アドレナリン, ドーパアミソおよびドーパのレベルには変化がなかった。
以上の結果から人においてもノルアドレナリンが寒冷による熱産生に関与していることが示唆される。

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