日本生気象学会雑誌
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同一熱環境実験に基づく皮膚温および体温の年内変動
岡村 圭子中村 泰人
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1997 年 34 巻 2 号 p. 89-95

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抄録

季節変化に伴う人体の温熱生理学特性を考慮することによって室内熱環境の設計方法を提示することは, 生気象学に関連した工学の主要課題であるとの観点から, 本論文は, 温熱生理学特性の年内変動と気温の年内変動との関係を明らかにすることを目的とした実験的研究である.実験では, 1年を通じて同一の熱環境に対する温熱生理学的特性を調べた.皮膚温は, 夏高冬低の季節変動を示し, 外気温15℃以上では外気温に追随して変化するが, 外気温15℃未満では外気温に無関係にほぼ一定値をとった.鼓膜温は, 夏低冬高の季節変動を示し, 向寒期は向暑期より約0.1K低かった.外殻率α=0.1として求めた平均体温は, 年間でほぼ平坦になったが, 向寒期は向暑期より約0.1K低かった.8月の平均体温, 2月の平均体温は, その後も値が持続する傾向があった.

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