甘果オウトウの垣根仕立てに対する品種適応性を明らかにするため,'佐藤錦','高砂','紅秀峰'の主要3品種の収量を立ち木仕立てと垣根仕立てで比較した.'佐藤錦'と'紅秀峰'の収量は,立ち木仕立て樹と垣根仕立て樹で差はなかった.'高砂'の収量は立ち木仕立てに比べて垣根仕立ての方が少なかった.垣根仕立てで栽培された'高砂'は新梢の発生状況および夏季剪定による新梢の処理量,新梢切り口の径などから'佐藤錦','紅秀峰'よりも樹勢が旺盛であることが確認できた.このことから旺盛な生育によって収量が減少したと考えられた.'紅秀峰'と'佐藤錦'は夏季剪定による新梢管理で中庸な結果枝を容易に作ることができ,垣根仕立て栽培においても立ち木仕立てで栽培した場合と同等あるいは同等以上の収量を得ることができたので,垣根仕立て栽培に適する品種であると結論した.