2011 年 18 巻 1 号 p. 1-11
嗜好品はその嗜好性について一般に心理的影響が大きいと考えられる。しかしながら嗜好品の中でも食品・飲料に関しては生理的因子が嗜好に対する基本的な要因となり,さらにそこに混在する心理的因子が影響を与えると考えられる。嗜好性食品・飲料の因子解析と影響度の定量的な把握が実現できれば,商品開発や生産管理的観点から非常に有効である。本研究ではコーヒーの嗜好性について心理的および生理的因子を解析し,その定量評価を試みた。本論文では,試飲として提供された1杯のコーヒーを飲んだ時の嗜好性と普段飲用するコーヒーの嗜好性について,その回答の違いと特徴を考察した。結果として試飲コーヒー飲用時の嗜好性は、試飲時の心理的要因にも左右されるが,主にコーヒー豆の持つ特徴を美味しいと感じ,それは普段飲用する嗜好性とは異なることが確認された。