日本製品は高品質であったが部品点数と部品種類数が多いのでコストが高く,近年品質が向上している韓国や新興国に競り負けはじめた。日本の強みは二律背反克服能力であり,その能力をモノづくり源流の設計段階における製品の多様化と部品の少数化という相反課題に適用することによって,設計,調達,製造,販売およびアフターサービスの全生産プロセスで売上向上と原価低減を同時に実現するモジュラーデザインに切り替える必要がある。本研究は,高収益企業のスカニアと近年世界販売が好調なフォルクスワーゲンのモジュール化戦略を分析し,日本電装のモジュール化によるJIT生産を研究しつつ日本のモジュラーデザイン方法論を論ずる。