2014 年 21 巻 1 号 p. 29-34
これまで製造業ではICT(Information and Communication Technology)化を進め業務の効率化やコスト削減努力を重ねてきたが,工場のコンピュータ処理においては無駄に人手を介す業務が依然数多く残されている.これはシステム間の連携が不十分であることも一因である.本稿では製造業におけるシステム連携の今日的な問題点を学術的な視点で抽象化して,その具体的な解決策として富士通フロンテック㈱が開発,運用しているグローバルSCM(Supply Chain Management)システムに着目した.製造業におけるシステム連携の問題は奥深く,海外拠点及びサプライヤーも含めシームレスでリアルタイムの処理を実現した同社のSCMシステムを本問題の解決事例として検討した.