2014 年 21 巻 1 号 p. 35-40
売上至上戦略をとってきたゼンショーホールディングス(すき屋)の事例分析である.企業の拡大とカリスマ経営者による組織運営が,どのように経営組織に働き,今日の問題を引き起こしたか分析する.
始めに,すき屋の急成長の経緯を報告する.すき屋の過重労働問題について「労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告から問題の経緯と原因について報告する.次に,急成長した中小企業に見られる特徴的な組織風土について前回報告論文の要約を記す.それらを踏まえて,すき屋の過重労働問題の真の原因と組織風土改革への提言を述べる.