生産管理
Online ISSN : 2186-6120
Print ISSN : 1341-528X
研究論文
日本の食品製造業の低生産性の原因は低実稼働率
弘中 泰雅
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 26 巻 1 号 p. 67-72

詳細
抄録

日本の食品製造業の生産性は製造業平均の60%程度しかない.実稼働時間と操業時間との比率である実稼働率も製造業平均に対する生産性比率と同程度の60~70%である.即ち食品工場は操業時間に対する実稼働時間が短い為に生産性が低いのである.これ迄食品製造業の低生産性の原因は多品種少量生産や工場規模や自動化の遅れにあるとされてきたが,食品工場の生産特性であるバッチ生産による脈流生産,オーブン等設備構造,非効率な生産スケジュール,個人完結型作業,清掃・洗浄・殺菌等を原因とするライン停止の影響が大きい.この他工場入場衛生ルーチン,納品不足ペナルティや遅い発注時間等流通との関わりの影響も無視できない.実稼働率向上こそが食品工場生産性向上の鍵である.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人日本生産管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top