隠れ肥満は,将来,サルコペニア肥満のリスクが指摘されているため,隠れ肥満を的確に判定し,それらの健康リスク分析を試みる必要がある.本研究では,BMIと体脂肪率から,隠れ肥満の判定法を模索するとともに,模索された判定法に基づいて隠れ肥満者の健康リスク分析を実施することを目的とした.対象を,BMIと体脂肪率をもとに3体型群(標準,隠れ肥満,肥満)に分けた.3体型群間における身体的,生理的,体力的要素の比較として,一元配置分散分析を実施した.隠れ肥満群の生理的要素については,標準群と同様の傾向を示した.体力的要素については,隠れ肥満群の握力は3体型群間で最も低く,それ以外の項目では,肥満群に次いで有意に劣る傾向にあった.以上から,隠れ肥満の身体的なリスクへの警鐘が指摘される.