生産研究
Online ISSN : 1881-2058
Print ISSN : 0037-105X
ISSN-L : 0037-105X
研究速報
単結晶シリコンカンチレバーの光熱励振法
-高次振動モードを用いる液中ダイナミック原子間力顕微鏡の為に-
西田 周平小林 大西森 勇貴川勝 英樹
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 62 巻 3 号 p. 255-258

詳細
抄録
単結晶シリコンカンチレバーの光熱励振法について解説する.カンチレバーは励振レーザーによって局所的に熱せられ,カンチレバーの厚み方向の温度勾配によって熱応力が発生する.カンチレバーは単一素材で構成されるため,長手方向への温度勾配は熱応力を発生しない.従って,周期的モード形状を有する高次振動モードを効率的に励起することが出来る.波長405nmおよび780nmのレーザーダイオードを用いてカンチレバーのたわみ2次モードを励起し,光熱励振法における励振効率の波長依存性を調べた.405nmレーザーは780nmレーザーに比べて2.3から4.2倍励振効率が高かった.この振動効率の差は各レーザーの外部透過率を計測することにより,シリコンの波長吸収特性に起因することが明らかになった.
著者関連情報
© 2010 東京大学生産技術研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top