2013 年 65 巻 3 号 p. 257-261
血中を循環する腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)は血行性のがん転移の主因であると考えられている.血中のCTCを分離し計数した後に仔細な解析をおこなうことで,がん診断や治療に有用な情報を得ようとする臨床応用が期待されており,高感度にCTCを血中から分離検出する技術が近年大きな注目を集めている.本解説では,既存のCTC分離検出技術および最近のCTC検出マイクロ流体デバイスの開発動向について概観した後,筆者らのグループが開発するウェル型のCTC検出マイクロ流体デバイスについて紹介する.