生産研究
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研究解説
都市境界層における運動量及び熱の輸送メカニズムに関するLarge-eddy simulation
中島 慶悟大岡 龍三菊本 英紀
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2014 年 66 巻 1 号 p. 53-59

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抄録
都市空間の流れ場における特徴的な乱流構造の輸送現象への寄与及びメカニズムを解明することを目的として温度成層を考慮した都市境界層におけるLarge-eddy simulation(LES)を行った.都市キャノピー上端(z/H=1.0)における主流方向平均風速の勾配が最も大きくなることによって発生した強いEjection(低速流体が上方に流出する現象)は上空に輸送されるため上空におけるレイノルズ応力及び乱流熱フラックスに大きく寄与する.LESから得られた乱流統計量を用いて推定した渦動粘性係数νtのモデル係数Cμと乱流プラントル数Prtは標準k-εモデルで用いられる値より小さくなる部分があり,都市境界層において標準k-εモデルの予測精度は低くなると考えられる.
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© 2014 東京大学生産技術研究所
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