生産研究
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研究解説
QCLO法によるグルコースオキシダーゼ活性中心の電子状態計算
吉田 洵也平野 敏行佐藤 文俊
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2015 年 67 巻 3 号 p. 265-272

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抄録

タンパク質のような巨大分子のカノニカル分子軌道(CMO)計算においては,初期値の精度が解を得るための重要な要素となる.擬カノニカル局在化軌道(QCLO)法は巨大分子の高精度な初期値作成方法の1 つである.これまでのQCLO 法プログラムはペプチド鎖を前提とするため,ヘテロ分子に対しては適用が困難であった.そこで,任意の化学構造を取り扱う新たなQCLO プログラムを開発し,ヘテロ分子に対してもQCLO 法を適用可能にした.本研究ではヘテロ分子FAD を活性中心として持つタンパク質グルコースオキシダーゼ(GOX)モデルに対して,新たなQCLO 法プログラムを用い,初期値の精度を解析した.また,CMO 計算により得られたGOX の活性中心の電子状態について解析した.

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© 2015 東京大学生産技術研究所
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