生産研究
Online ISSN : 1881-2058
Print ISSN : 0037-105X
ISSN-L : 0037-105X
研究解説
移植可能な肝組織の生体外構築に関する一考察:トップダウン的手法とボトムアップ的手法の融合
厖 媛ストコ  ステファニー リアナ ウタミ堀本 洋平安斎 正博新野 俊樹酒井 康行
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 67 巻 3 号 p. 259-264

詳細
抄録

本稿では,障害を受けた患者肝の代替が可能な肝組織相当物の構築に関する融合的なアプローチに焦点を当てる.このような大型の移植可能肝組織は,体積当たりの肝機能がin vivo のそれと同等でありかつ総体積は500 cm3 となるが,現状の技術では特に細胞への物質供給が制限因子となってその構築は容易ではない.この点を解決するために我々は,ボトムアップ的およびトップダウン的な組織工学的手法の融合に基づく新たな工学的方法論を提案する.これは,臨床学的に意義のある大きさでありながら高い単位体積当たりの肝機能を発揮させるために,ミクロからマクロに至るスケールでの物質供給の同時改善を可能する手法である.

著者関連情報
© 2015 東京大学生産技術研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top