2015 年 67 巻 6 号 p. 625-629
金属を繰り返しリサイクルする時,金属中に蓄積される不純物が大きな問題になってくる.アルミニウム合金のリサイクルや精製のプロセスにおいて,アルミニウム合金スクラップから不純物元素を効率良く分離する技術は非常に重要である.本研究では,半凝固による後方押し出し法を用いることでアルミニウム合金スクラップ中の不純物元素を分離させた.光学顕微鏡での観察,ロックウェル硬さ試験,電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)を用いた分析により,不純物元素は押し出し部分の結晶粒界に,精製されたアルミニウムは押し出されなかった部分に濃縮されることが明らかになった.