2015 年 67 巻 6 号 p. 653-659
死者6000 人以上を出した1995 年の兵庫県南部地震では,大規模施設において非構造部材の重大な被害が発生した.筆者等は,これらの被害が早朝の地震ではなく昼間に発生した場合の大きな危険性を指摘し,また,避難所としての機能が損なわれる点等を指摘し続けてきた.それらの活動の一環として,震災直後の調査を行った35 の大規模施設を対象として震災14 年目に再び実地調査を行い,改修,復旧,利用状況を調査した.本報告では,この調査の概要と,3 つの調査対象施設を例として示し,それぞれの調査結果について報告する.