2015 年 67 巻 6 号 p. 705-712
熟練技能者が手作業で行っている技能をロボットで自動化する必要性が産業界で高まっている.しかし,人間の動作は言葉で正確に表現することが困難である上に,時間的摂動および空間的摂動を伴っており,このことが自動化を困難にしている.本研究では,書道の運筆作業を題材に取り,モーションキャプチャーを用いて得られたデータにスプライン関数を適用し,技能の数理モデル化を実現する.そして,人間の時間的摂動を適切に処理するために同型変換法という手法を導入し,また空間的摂動を適切に処理するためにMin-Max ノルムを適用し,自動化用の動作の基礎を確立する.