抄録
今後,再生可能エネルギーによる発電の割合が増加した場合,電力会社は不安定な発電量に応じて電力価格を調整することで,需要量を制御することが考えられる.一方で,このような価格の調整により,過度な需要の集中が一定の確率で発生することを示す数理モデルが最近提案されている.本研究では,このモデルに少し変更を加えることで,こうした現象がどれだけロバストに現れるものなのかを調べ,価格が正規分布やランジュバン方程式に従う場合には,ある程度の変更を与えても普遍的に見られる性質であることを示した.また,需要の分布の理論的解析を行い,その結果が数値実験とよく一致することを確認した.