生産研究
Online ISSN : 1881-2058
Print ISSN : 0037-105X
ISSN-L : 0037-105X
研究速報
建物群の数値情報を考慮した打ち上げ花火の視認性評価
沖村 遥平本間 裕大鵜飼 孝盛栗田 治
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 68 巻 4 号 p. 289-292

詳細
抄録

夏の風物詩として存在感の大きなものに,都市部での花火大会が挙げられる.都市部で打ち上げられる花火を観賞するにあたって,周囲の建物群の影響は無視できないものであり,これらの高層な建物群によって,視界に届くはずの花火が遮蔽されてしまうのである. そこで本研究では,建物群が建ち並ぶなかでの花火の見え方に主眼を置き,建物による遮蔽と観測位置などを厳密に考慮した上で,視界にとらえられる花火の量を定量的に評価する.より具体的には,視対象となる打ち上げ花火が視界でどの程度の大きさを占めるかを,視対象の見かけの大きさを数値化した物理量である「立体角」を用いて評価すると同時に,花火の全形のうちどの程度の割合が視界にとらえられるかを,立体角の定義から直ちに算出される「可視率」を用いて評価し,これら2つの要素を評価指標とする.また,構築したモデルを都市部で行われている実際の花火大会のいくつかの事例へ適用し,実証的な視認性評価分析を展開する.

著者関連情報
© 2016 東京大学生産技術研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top