2017 年 69 巻 6 号 p. 345-349
日本では,地震などの災害時大スパン建物が避難所として利用される.このような建物の天井等非構造材の落下は突発的に発生し,人命に危害を及ぼす危険性がある.天井の被害検出と安全判断は,通常人間(主に専門家)の肉眼の観察によって行われる.天井等非構造材の損傷検出と安全性評価は,画像認識の問題に置き換えることができる.現在多くの分野で用いられている深層学習,特に畳み込みニューラルネットワーク(ConvNets)は,損傷検出システムの構築に応用できる有用なアルゴリズムである.本報では,天井の損傷度を評価するため,ConvNets を使用した深層学習モデルを構築し,検証した結果を示す.さらに,損傷度の判断基となった特徴点を抽出し考察を行った.