2020 年 72 巻 1 号 p. 81-86
本研究は乱れを含む主流中に置かれた翼から発生する空力音を対象とし,Large Eddy Simulation(LES)による数値流体解析により,乱れが翼面に流入したときの渦の変形を詳細に調べるとともに,LES 解析結果を音源とした空力音響解析を行い,音場の指向性を調査した.その結果,主流の乱れの中の渦が翼の前縁近傍を通過するときに,淀み点においてアンカリングされた渦が主流の加速に伴い流れ方向に引き伸ばされることが,主流に乱れを含む場合に翼まわりの流れから発生する音が大きくなる本質的な原因であることを明らかにした.