2020 年 72 巻 1 号 p. 9-13
壁乱流における摩擦抵抗低減を目的として,最適制御理論に基づき大きな空間スケールを持つ壁面吹出し・吸込みの時空間分布の最適化を行った.制御入力に流れ方向またはスパン方向に一様とするような強い制約を与えた場合においても,約17 ~18%の抵抗低減率を得た.制御時の流れ場の解析から,これら2 つの制御入力は全く異なる方法でストリーク構造を操作していることが示唆された.
また,大スケール最適制御入力を開ループ制御則として異なる流れ場に与えた場合の制御効果を調査し,制御投入のある一定時間内における乱流エネルギーの抑制を確認した.