2020 年 72 巻 2 号 p. 173-178
高速道路ネットワークにおける適切な交通マネジメント施策を検討するにあたっては,交通需要すなわちOD 交通量についての現象理解が重要である.そこで本稿では,首都圏高速道路ネットワーク全域を対象として,道路会社別に収集されたETC データを統合したうえで,OD 交通量の時間帯による変動実態を分析した.状態空間モデルを用いて,観測された時間帯別OD 交通量から24 時間周期を持つ時間帯変動成分を抽出し,これをクラスタリングすることによってピークの発生回数や時間帯の異なる10 つのパターンを明らかにした.さらに,路線によって混入率の高いOD のパターンが異なるなどの傾向を分析した.