日本食品化学学会誌
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論文
健康食品中のドオウレンおよびコレウス・フォルスコリーの同時分析法の確立
吹譯 友秀榎本 啓吾吉野 宏毅内本 勝也西村 真紀伊藤 里恵穐山 浩
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2022 年 29 巻 2 号 p. 91-103

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抄録

ドオウレンおよびコレウス・フォルスコリーは特別の注意を必要とする成分等(指定成分)として食品衛生法で定め られた。我々は、超高速液体クロマトグラフィーを用いて指定成分含有食品中のコプチシンおよびフォルスコリンの同 時定量分析法を構築した。また、フォトダイオードアレイ検出器付き超高速液体クロマトグラフ - 四重極 - キングドン トラップ質量分析計を用いて指定成分含有食品中のコプチシン、サンギナリン、フォルスコリンおよびイソフォルスコ リンの同時定性分析法を構築した。抽出はメタノールを抽出溶媒として用い、超音波抽出法で行った。定量および定性分析用の UHPLC カラムは逆相カラムを用い、定量分析は移動相に 10 mmol/L リン酸緩衝液(pH3.0)- アセトニトリルのグラジエント溶出、定性分析は移動相に 10 mmol/L ギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.0)- アセトニトリルのグラジエント溶出を用いた。添加回収試験の結果、回収率は 97.23 ~ 102.14%、標準偏差は 2% 以内であり良好な結果を示した。本法を市販製品に適用した結果、コプチシンが最大10.71 mg/瓶およびフォルスコリンが最大27.73 mg/錠検出された。フォルスコリンが 27.73 mg/ 錠検出された製品を製品表示どおり摂取するとフォルスコリンの 1 日摂取量が 110.92 mg と推定された。 定性分析では、健康食品中のコプチシン、サンギナリン、フォルスコリンの含有を確認できた。イソフォルスコリンはフォルスコリンの含有量が最小だった 1 製品を除き含有を確認できた。

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© 2022 日本食品化学学会
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