2021 年 73 巻 3 号 p. 185-188
砂や砂利をはじめとするコンクリート原料の不足が世界的に進行しつつある.またコンクリートの主材料であるセメントの製造においては,大量のCO2 が発生しており,全世界のCO2 排出の8% を占めるという報告もある.そこで本研究では固体として砂のみを用いて,コンクリートの代替となる建設材料の製造を試みた.砂から有機ケイ素原料を製造する技術を参考に,砂とアルコール,触媒を混ぜて密閉容器中に入れて約240℃に加熱した結果,24 時間後には砂同士が接着され,硬化体を製造できることを確認した.また製造における温度,時間,砂の量などはトレードオフの関係にあることを確認した.