2024 年 76 巻 1 号 p. 25-31
風環境の実地観測と人工ニューラルネットワーク(ANN)に基づくデータ駆動型風速計校正は,瞬時風速の収集に高い時間的コストや設備費を要するため,実用性に課題が残る.本研究はCFDデータベースを活用することで,実地計測の作業を減少させることを目指す.本報では,2段階のANN予測フレームワークによる校正手法を提案し,CFDデータベースを訓練データとするANNの最適的な構築方法を検討した.結果から,ある測定点での実測データとCFDデータベースを訓練データにすると,既存の実測データの量や汎化性能を向上させ,異なる測定点での風速計校正の効率化や高精度化が可能であることが分かった.