2024 年 76 巻 4 号 p. 395-399
本研究では,せん断剛性率G0が排水繰返し載荷による体積ひずみに及ぼす影響に着目した.ひずみ制御三軸試験装置を用いて異なる作製方法で相対密度約75%の砂供試体を再構成し,排水条件下で応力振幅一定の繰返し試験を実施した.実験中において,せん断波速度 Vs を計測し,全ひずみと局所ひずみを測定し比較した.乾燥突き固めの供試体は空中落下の供試体よりVs (G0)値が高く,体積ひずみが顕著に低かった.この差は,所定の密度ににおいてG0に反映されるより強い土粒子構造が体積変化に対してより大きな抵抗性を持つことを示唆しており,またG0が高いほど過剰間隙水圧の発生が遅く,したがって液状化供試体が高いというこれまでの知見と一致する.この結果は,砂質土の液状化特性における密度と土粒子構造の両方の重要性を示した.