2025 年 77 巻 1 号 p. 33-36
本研究はレイノルズ平均ナビエ・ストークス方程式およびオイラー型拡散方程式において異方性の濃度拡散モデルを提案する.提案されたモデルは一般化された勾配拡散近似および汚染物質のトラベルタイムに基づき,乱流の異方性と発生源近傍での拡散特性を考慮する.提案モデルと従来の等方性モデルを用いて,高所の発生源による大気境界層内の汚染物質の拡散を予測した.提案モデルと従来モデルの両方が平均濃度を正確に予測したが,提案モデルでは各方向の等価乱流シュミット数は異なった.また,提案モデルは逆勾配乱流拡散を予測した.