抄録
蚊の幼虫(ボウフラ)の採餌活動は種間で異なることが知られている。採餌活動の低下は捕食回避行動とみなされ、採餌活動を抑えることで捕食されにくくなることが分かっている。本研究では魚類(ミナミメダカ)のキューに対する3種の蚊(コガタアカイエカCulex tritaeniorhynchus、アカイエカCulex pipiens、ヒトスジシマカAedes albopictus)の活動性について評価した。観察には魚類のキューの有無に分けて、ボウフラの活動性を評価した。観察の結果、魚類のキューがある処理では、キューが無い処理に比べてボウフラの活動性が低くなったが、その傾向は、ヒトスジシマカに比べてコガタアカイエカとアカイエカで顕著であった。これらの結果は野外で魚類と同所的に住むコガタアカイエカは魚類のキューに強い反応を示す一方で、魚類と共存しないヒトスジシマカでは反応を示さないことを示している。アカイエカはその中間的な反応を示した。これらの行動観察は高等学校の理科において教材として活用できると期待される。