日本生態学会誌
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特集1 外来種の定着プロセス-森林、河川、湖沼、草原に侵入した 外来種の侵略性と多様性
琵琶湖における特定外来生物ウスゲオオバナミズキンバイの侵入・繁茂について
稗田 真也
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2022 年 72 巻 1 号 p. 35-

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抄録
琵琶湖では、特定外来生物に指定されている侵略的外来水生植物オオバナミズキンバイの亜種ウスゲオオバナミズキンバイの繁茂が問題視され、駆除や調査活動が展開されてきた。特定外来生物に指定されていると同時に、在来近縁種などとの誤同定のリスクが伴う種であるため、誤認されたまま園芸利用・栽培される恐れがある。本種は茎や葉からの再生が可能であるため、駆除時にも植物体断片の取り残しや拡散に注意が必要である。さらに結実も見られるため、侵入地での埋土種子集団の形成や種子散布による拡散に注意が必要である。琵琶湖では、人力駆除、建設機械などを用いた機械駆除のほか、駆除後の再生と群落回復を防止するための巡回・監視、ジェット水流を用いた駆除そして隣接して生育する侵略的外来水生植物チクゴスズメノヒエを併せた駆除など、用途に応じ種の特性を考慮した対策が見られる。本亜種のように拡散力の高い侵略的外来種に対しては、侵入した各地で早期防除される体制の構築が求められる。2019年1月までに14か所で根絶しているイングランドのように、資金の支援や技術的助言そして職員による駆除実施など柔軟な対応を伴いながら、土地所有者に管理責任を求める制度が有効であると考えられる。
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© 2022 一般社団法人 日本生態学会

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