現在我が国は,高齢化社会さらに高齢社会を超えて,極端に高齢者割合が高い超高齢社会を迎えている.高齢者が増えるに伴って解決しなければならない様々な問題が生じているが,中でも衣服に関係する問題は身近で重要である.しかし,高齢者の衣服に関する研究は少ない.そこで,本報告では,直接身体に触れて身体保護,衛生維持などの機能をもつ肌着に注目し,肌着に対する高齢者の意識を明らかにすることを目的とした聞き取り調査を行った.その結果,洗濯や衣服整理などの肌着の利便性に関して女性の方が男性よりも高い意識のあることがわかった.また,尿失禁,加齢臭,購買行動障害などの高齢者特有の問題があることもわかった.さらに,高齢者も若者と同様にファッションやスタイルに対して強い興味をもっていることがわかった.