フィールド実験により,乳がん術後女性の衣服内気候について検討した.被験者は術後者4名(片側乳房全摘2名,乳房温存2名)および健常者4名とした.術後者では術側と健側,健常者では右側と左側のブラジャー(およびパッド)内の温湿度を10秒毎に60分間測定した.衣服内温度は,いずれの術後者も術側の方が高い値を示した.その理由として,乳房全摘術後者が装着しているシリコンパッドの影響,乳房温存手術後の放射線照射に起因する発汗機能の損失が影響している可能性,の2つが考えられる.シリコンパッド内は湿度もきわめて高い値を示した.これらの結果から,乳がん術後者の着衣における温熱生理的不快の大きさが示唆される.