左右どちらかの乳房を全摘または温存(部分摘出)手術した乳がん術後女性を対象として,上肢挙動に伴うブラジャーフレームのずれを明らかにすることを目的とした.被験者は乳がん術後女性12名(全摘7名,温存5名)である.実験は,試料Iのパッド有無と試料Ⅱのパッド有無の4条件で,上肢挙動を繰り返す間の動きを,CCDカメラで取り込んで,運動画像解析システムで解析した.ブラジャーフレームのずれ量は,上辺より下辺が多く,特に前面カップ下のずれ上がりが顕著であった.上肢挙動中でずれ量が多かったのは,上挙時で,次いで側挙,前挙となった.動作終了時のずれ量は,温存より全摘が多く,特に術側で多くなった.術側はアンダーからトップにかけての形状が平滑であるため,上肢挙動でずり上がった量がそのまま残留する結果となった.しかし,パッドを装着すると,全摘,温存にかかわらず,ずれ量が減少し,特に術側のずれ量が少なくなった.ブラジャーフレームのずれは,パッドを装着することで少なくなり,ずれ難くなることが分かった.