歯科診療所のスタッフに医療用ユニフォームとして異なる8色のスクラブと白のパンツを着用してもらい,外来患者394名を対象に印象を調査した.
(1)8色のサンプルの中で,「好ましい,やや好ましい」の割合が最も高いのは,明るい赤紫(lt-RP)で,次に好まれたのは白(Wt)であった.好ましさに,性別,世代間の差異はみられなかった.
(2)各サンプルにおいて,患者の病気に対する不安と看護服の好ましさに関連はみられなかった.
(3)因子分析の結果,「親しみやすさ・癒し」,「信頼・責任」,「活動性」,「デザイン性」の4因子が得られた.「親しみやすさ・癒し」は,同一色相に着目すると,明度の高い方の因子得点が高かった.また,第2因子の「信頼・責任」の因子では,青紫(PB),緑(G)の寒色系や寒色系に近い色相の因子得点は高く,赤紫(RP),黄赤(YR)の暖色系に近い色相や暖色系の色相の因子得点は低かった.