歯や口の健康が生活の質の向上に重要な役割を持つことが報告されてが,歯や口の健康を保つために必須なデンタルフロス,歯間ブラシ,部分用ハブラシといった補助的清掃用具の使用率は低いのが現状である.そこで,これら補助的清掃用具の使用を促す情報開発や商品開発の一助とするため,消費者の補助的清掃用具の使用実態と歯や口に対する意識について調査した.その結果,歯や口の意識・態度項目の因子分析により抽出した「オーラルケア注力」因子や,主観的健康感,生活満足感と補助的清掃用具使用との関係性が認められた.歯科医への定期健診の啓発に加え,補助的清掃用具使用による健康や生活満足度への効果など,消費者メリットにつながる情報発信が効果的であると考えられる.また,歯が弱いと自覚しながら補助的清掃用具を使用していない実態も認められた.オーラルケアの低意識層にまで情報を確実に伝達することが重要な課題として抽出できた.