健康な20歳代,40歳代,60歳代の男性を対象にして,人体表面への接触物の温度評価能と温度感受性における加齢による影響を検討した.また,その身体部位による違いも検討した.体表に接触する物体の温度評価能は,各年齢層において高く,年齢による違いは認められなかった.また,身体部位によって温度評価能が異なることはなかった.一方,温度感受性は,20歳代男性は温覚と冷覚ともに鋭敏であるのに対して,40歳代と60歳代男性の温覚と冷覚は鈍化して低下していることが検証された.特に,40歳代と60歳代男性の下肢における冷覚感受性の低下は顕著であることが明らかとなった.