繊維製品消費科学
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イヌの嗜好性評価法に関する研究
小松 陽子石丸 園子
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2017 年 58 巻 1 号 p. 98-107

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抄録

イヌは人と異なり主観評価ができない.そこで,イヌの嗜好性を評価する方法として,イヌの背部に付けたマーカーを追尾し,敷材を選択する行動を客観的に数値化する行動解析手法を検討した.敷材への臥位姿勢での滞在時間が長いと,イヌがその敷材を選択したと判断した.本方法により,日常使用している敷材は,初めて使用する敷材に対して,臥位姿勢での滞在時間が長い傾向がみられた. また,同様に2 種類のマットレスを用いて行動解析をし,体圧分散性に優れ,イヌと敷材との間の温湿度が低い敷材に,10 頭中7 頭のイヌが臥位姿勢で長時間滞在することが確認された. このように,本方法によりイヌが何らかの理由で選択行動をとっていることがわかり,イヌの敷材の嗜好性評価法として本行動解析手法を活用できることが示唆された.

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© 2017 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
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