2020 年 61 巻 1 号 p. 46-51
日本の繊維産業を支えた女性労働者たちには,目標を持ち,学び積極的に生きる力という教養を持っていたことを第1 報で明らかにした. 第2 報では,現在の日本の女子短大生に,産業興隆期の女性労働者たちが持っていた教養が存在するかを,進学理由,将来の労働に対する考えなどのライフスタイルアンケートにより検証することを目的とした.手段として,現在産業興隆期であるベトナムからの留学生の労働意識を比較検討 した. その結果,現在の日本の女子短大生には,ベトナム人留学生に見られる労働意欲は見られなかったが,社会の豊かさが労働意識に大きく関わってきていることが見えてきた.この豊かな社会の中で,どう意欲ある労働意識のモチベーションを保たせるかが,我々大学教職員の課題だと考える.その課題を解決するために,社会とのネットワークを活用し,学生一人一人に,社会を支える一員であることの自覚と自信を持たせ,女子短大生の労働意識を高めることが,社会の発展につながると考える.