繊維製品消費科学
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綿レインコート地の消費科学的研究
―ドライおよびランドリークリーニングによる防水性能の変化について―
豊間 和子工藤 悦子
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1983 年 24 巻 5 号 p. 201-208

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抄録

市販の婦人用レインコート地5種類を試料としてとりあげ着用年数から洗濯回数を算出これらの防水性能がこの洗濯回数によりどのように変化して行くかをドライクリーニングとランドリーの両法について検討した.主な試験項目は1) 撥水度2) 吸水度3) 耐水度4) 通気度である.
その結果, 全般についていえることは洗濯処理することにより防水効果は減少し, 特に1回目で急激な低下を示す.以後は指数関数的な減少である.撥水度は原布の段階で充分でない防水加工があるので購入の場合「はっ水性」の表示に注意したい.撥水性, 吸水性は加工剤の種類と程度に大きく影響される.耐水度, 通気性は布地自体の構成要素により異なり, カバーファクターの値と一致する.ドライクリーニングとランドリーを比較すると, 風合いを落すことがなければランドリーの方が適している.更に防水加工の表示は製品だけでなく布地にも明確にして欲しいものである.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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