繊維製品消費科学
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衣服圧の生体に及ぼす影響
―体性感覚誘発電位を指標として―
岡田 宣子
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1995 年 36 巻 1 号 p. 138-145

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抄録

表面電極を頭皮上のCZとC4'に置き, 体性感覚誘発電位の中・長潜時成分に着目して, 衣服圧の生体に及ぼす影響を検討した.被験者は成人女子4名で繰り返し実験を9回行った.鼻に装着したサーミスターから呼吸曲線をモニターし, 吸息相及び呼息相の終わりに近い時点でトリガーをかけ, 上肢正中神経を刺激した.なおウエスト位置に装着したカブの加圧量は, 官能検査の際被験者がきついと回答した約30mmHg程度である.刺激により生じた体性感覚誘発電位を128回平均加算して得られた波形から, 頂点潜時と頂点間振幅を求め, それらの平均値で検討した.
1) 頂点潜時は体性感覚野により近いC4'がCZよりやや短い.
2) 衣服圧の影響はC4'より上位にあるCZに, より強く生じていた.
3) CZの頂点間振幅P2-N3は, 深吸圧>呼圧>吸圧の順であった.衣服圧と圧迫感覚値の検討結果では, 吸息相の方が加圧影響が強いが, 脳の活動レベルから考えると, 呼息相により強く加圧の影響が生じていた.

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