抄録
本研究では,メタンに第2成分として二酸化炭素,エタンまたはプロパンを混合したガスから合成した2成分混合ガスハイドレートを対象とし,ガス種およびガス組成が異なる場合のケージ占有性の違いを明らかにすることとした.ケージ占有性はCP-MAS 13C NMR法により評価した.ゲスト分子の13Cケミカルシフト値は包接ケージの種類に対応した.さらに,ゲスト分子に起因する13C NMR シグナルの積分強度比からケージ占有比を評価した.結果として,メタン-ニ酸化炭素系では,第2成分の二酸化炭素が増加するにつれて, 大ケージ中に包接されるメタンの割合が減少する傾向を示した.一方,メタンーエタンおよびメタン-プロパン系では,第2成分濃度の増加に伴い,第2成分が大ケージを優先的に占有し,メタンの大ケージ占有率が減少する傾向を示した.メタン-エタンおよびメタン-プロパン系ではガス組成によらず大ケージはメタンと第2成分によってほぼ完全に占有されているのに対し,小ケージには空きケージが存在することが示された.