抄録
地温・凍結深の空間的分布や歴史的推移は,寒冷地における農業計画や土木事業計画に直接的に関連するのみならず,地球環境変動(近年の地球温暖化など)の影響評価や今後の予測を行う上で重要なデータである.社会的背景の多様化や評価手法の発展にともない,こうしたデータの集約がさらなる学術研究の発展に必要不可欠となっているが,未だ十分に整備されていない状態にある.日本国内の地温・凍結深の観測はこれまで,気象庁,各地の農業試験場あるいは大学機関などで個別に行われてきた.こうした観測データは,単独で公開されているものはあるものの,統合的に集められることがなく,多くは閑却されるか四散の瀬戸際にある.筆者らは,2010年よりこれらのデータを保有する機関やその現状の把握を進めてきた.ここでは,国内での地温・凍結深観測データの所在と収集の現状と,整備・公開に向けた活動の状況を報告する.