抄録
これまでに多くの積雪モデルが開発されてきたが,近年開発が進んでいる積雪変質モデルは,複雑な物理過程に基づいて計算することで,雪質や層構造等の計算も可能にしている.積雪変質モデルは雪の研究で用いるモデルの中心となりつつあり,また国内外で雪崩の発生予測等に応用されている.本稿では,スイスで開発された積雪変質モデルSNOWPACKが,日本に導入された後,雪崩の発生を予測するためにどのような改良が進められてきたかレビューを行う.また,新たに導入した水分移動過程や,海外における積雪モデルを用いた雪崩発生予測に関する紹介,そして現在の積雪モデルの限界と今後の進展のために必要な研究について解説する.