抄録
人工的に作成した高密度層を含む乾雪低密度積雪に降水を加え,雪えくぼの形成を“その場”観察するとともに,断続的に断面観測を行った.密度,含水率プロファイルの時間変化とサーモグラフィー画像から,高密度層に帯水が起こり,下の乾雪低密度層へ局所的な初期流下が見られたが,積雪層の変形は見られなかった.この局所的な流下が断面全面で観察されたのち高密度層より上層の含水率が増加し,続いて積雪表面で凹部形成が進行した.乾雪低密度層は,初期の流下により雪温が0℃となり,積雪は粗粒化し,空隙サイズが大きくなったと考えられる.この積雪変態は,帯水の下層への流下を妨げ,より多くの水が貯まる原因となる.この結果,続いて起こる継続的な流下は,急速なざらめ雪への積雪変態を引き起こし,積雪表面に凹部を形成すると考えられる.