雪氷
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論文
塩を含む積雪の含水率測定法
木村 宏海八久保 晶弘舘山 一孝谷川 朋範小嶋 真輔
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2021 年 83 巻 6 号 p. 579-590

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抄録

氷点下でも含水する,塩を含む積雪の含水率を測定する方法について検討した.積雪が塩を含むことで凝固点が0℃を下回るため,このことを考慮せずに熱量式含水率計で含水率を測定すると,これを過小評価してしまう.そこでまず,熱量式含水率計を用いて,試料が氷点下温度から0℃に至るまでの比熱補正を加える厳密な方法を考案した.次に,試料の液体・固体部分が結氷温度で熱的平衡状態にあると仮定して,熱量式含水率計を用いずに試料の温度と塩分から計算する方法を考案した.その結果,自然積雪および塩化ナトリウムを添加した積雪試料の含水率について,両者の方法で得られたデータはよく一致した.前者は手間がかかる反面,どのような温度・塩分条件下でも測定できる利点がある.一方,後者は雪温が-1℃以上で誤差が大きくなるが,測定が簡便な点で有用である.これらの手法を北極海海氷上の積雪,およびサロマ湖氷上の積雪の含水率測定に適用し,幅広い条件で測定できることを確認した.

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© 2021 公益社団法人 日本雪氷学会
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