雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
研究ノート
着雪現象の相対湿度依存性に関する風洞試験
佐藤 研吾冨樫 数馬
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 84 巻 2 号 p. 175-186

詳細
抄録

湿型着雪の発生において,降雪の含水状態は重要であり,気温とともに相対湿度が着雪性状に大きな影響を与える.特に自然界で同気温におけるみぞれや湿雪と乾雪の境界条件前後の相対湿度の影響は大きい.本研究では,アルミ平板を風洞中央に設置し,同じ粒子形状の湿雪,気温1 °Cの一定条件下で,風速7.5 m s-1~15 m s-1 で着雪試験を実施した.気温1 °Cにおけるみぞれと雪の相対湿度の境界条件より,高湿度の場合と低湿度の場合に大別し制御することにより,風洞試験において相対湿度が着雪性状に与える影響について検討した.着雪密度は7.5 m s-1 と10 m s-1 では相対湿度の影響が見られないが12.5 m s-1 と15 m s-1 では低湿度条件のほうが高密度になる結果となった.一方,着雪角度,表面硬度および含水率は顕著な違いが見られた.着雪角度は高湿度条件の場合は大きく,強風ほど小さくなる結果となった.表面硬度は低湿度条件の場合のほうが高硬度となり,その影響は風速が高いほど顕著となった.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 日本雪氷学会
前の記事
feedback
Top