実在地形上での雪崩を防災面から考えるためには"どこにどれくらいの量が到達するか"を定量的に示すことが重要である.雪崩の流動距離,デブリ厚さ及び速度は,発生体積や密度,雪崩の種類等によって決まるが,これらの情報は雪崩発生以前には未知であり不確定性を持つ.雪崩シミュレータでは入力としてこのような不確定な値を一つ決めることで,到達距離や速度が得られる.不確定性を分布で表し,分布に従って入力値を選択すると,不確定性を反映した出力が得られる.これを繰り返すことで入力値の不確定性は出力へ伝播し,その結果確率論的ハザードマップ作成が可能となる.本稿ではモンテカルロ法(MC),ラテン超方格法(LHS),多項式カオス求積法(PCQ)の3 手法で発生体積(入力値)の持つ不確定性を評価して,それぞれの手法で作成される実在地形上の最大流動厚さのハザードマップ作成を行った.これらの比較から,1)同じ計算回数で比較するとPCQ,LHS,MCの順番で精度が高いこと,2)PCQには適切な展開次数 NPと計算回数 NQが存在し,NP=NQの場合に最良の結果となることを数値的に示した.