抄録
降雪粒子の結晶形や粒度分布などが乾き新積雪(新雪)の圧縮粘性率に及ぼす影響を明らかにする目的で,短時間圧密(6時間~18時間)の野外観測を日本海沿岸部の秋田市で行った.さらに,それらの観測値を秋田県内陸部における既報の数値と比較した.主な結果は以下のようにまとめられる.
(1)球形に近い外形を持っ雲粒付立体樹枝から主に構成された新雪の圧縮粘性率は,降水強度と降雪粒子の粒度分布により大きく変化する.降水強度に関しては,強度が大きくなるほど圧縮粘性率は大きくなる.粒度分布に関しては,同じ降水強度で比較した場合,小粒子が多く分布幅が狭いほど圧縮粘性率は大きくなる.
(2)平板状の外形を持っ樹枝や雲粒付樹枝から主に構成された新雪の圧縮粘性率は,降水強度との相関は大きいが,粒度分布の影響は小さい.
(3)降雪粒子投影像の円形度と圧縮粘性率の相関が大きい.
(4)雲粒付立体樹枝に霰が相当程度混合した新雪では,圧縮粘性率の変動が大きい.