環境科学会誌
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一般論文
産業廃棄物及び廃PETボトルを対象とした循環圏に関する要因分析
藤山 淳史松本 亨
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2010 年 23 巻 2 号 p. 115-125

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抄録

2008年に閣議決定された第2次循環型社会形成推進基本計画には,地域の特性や循環資源の性質等に応じた最適な規模の循環を形成する「地域循環圏」の概念が盛り込まれた。地域循環圏の形成は,廃棄物・循環資源の品目別に適した循環圏を形成することで最終的に国全体の資源生産性を向上させ環境負荷を削減することが目的であるが,実現までに取り組むべき課題は多い。本研究では,望ましい「地域循環圏」を構築するため,廃棄物・循環資源の輸送に関する分析を通じて類型化を行い,その類型毎に最適な循環圏を決定する理論の構築を行うことを最終的な目標と見据えつつ,その第一段階として輸送問題,Gravity Modelと数量化理論I類を用いて産業廃棄物及び廃PETボトルの輸送の現状と要因を分析した。その結果,輸送における現状と最適解の乖離があること,輸送量には輸送距離が,輸送距離には発生場所や処理施設の地理的偏在性が与える影響が大きいことが明らかとなった。

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© 2010 社団法人 環境科学会
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