環境科学会誌
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シンポジウム論文
プロセス合成を用いたバイオマス利活用技術導入の意思決定
宮崎 貴裕杉浦 純平Rafael BATRES
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2011 年 24 巻 5 号 p. 480-492

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抄録
本稿では,バイオマス資源の収集から製品への変換,変換された製品の供給過程までを含む,バイオマス利活用システムを生成するための方法論を提案する。地域に広く分散して存在するバイオマスは,変換プラントへと収集され,変換技術により様々な付加価値製品へと変換される。変換された製品は複数の顧客へと供給される。以上のようなバイオマスの収集から変換プロセスの設計,変換された製品の顧客への供給,適切な変換プラントの配置,各区間のバイオマスおよび製品の輸送経路に至る全体像を設計することは,設計パラメータが多く,最適な設計は困難である。そこでバイオマス利活用システムを生成するための2層構造,すなわち,プロセス合成の層と輸送経路・配置設計の層から構成された方法論を提案する。プロセス合成では,変換プラントに設置する各種の設備を設計し,最適な組み合わせを生成し,与えられた原料から,要求された製品へと変換する一連のプロセスを自動的に設計する。一方,輸送経路・配置設計では,バイオマスの輸送経路,変換プラントへ入力されるバイオマスの量,変換プラントの設置場所,製品の供給経路と各顧客への輸送量を決定する。この方法論を検証するために,バイオマス利活用支援システムを実装し,バイオマスから電力へと変換するケーススタディーを通して,提案する方法論の有効性を示す。
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© 2011 社団法人 環境科学会
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